シュタイナーは著作とは別に膨大な講演録を残しています。日本でもシュタイナーの著作と同じくらいかそれ以上、講演録が翻訳されて刊行されています。その講演録に関して下記のコメントが引用されています。少なくとも「テオゾフィー」・「神秘学概論」等の基本著作の理解が、それらの講演録の内容を理解する、判断するには欠かせないと思います。
ルードルフ・シュタイナーの自伝から（35、36章、1925年）
それは文章にするためでなく、口で伝えようとしたものである・・・
そこに伝えているのは、かたちをなしつつあるアントロポゾフィーのれっきとした成果であり、その他のことはいささかも混じえていない・・・それら私家版の講演録も、まるごとアントロポゾフィーの伝えるところと受けとっていただけよう。だから、会員に限るとの制約をはずすにもためらいはなかった。ただ、あらためて目をとおしていないために、記録のうえのあやまりもあろうことを加味していただきたい。
さて、それをそれなりに読みとるには、いささかの前提が欠かせないはずだ。ほぼすべての講演録について云えようが、少なくともアントロポゾフィーの伝える人とコスモスと、そしてこれまた精神の認識のうちに知られる「アントロポゾフィーの歴史」とを、それと知ってみなければなるまい・・・